葬送のフリーレンに出てくるゼーリエに注目が集まっています。
中でもフリーレンとゼーリエの強さはどっちが上なのかという議論が白熱しています。
物語前半まででは、フリーレンの無敵っぷりがフィーチャーされていました。
しかし途中、一級魔法使いの試験のくだりで登場してくるゼーリエが存在感といい最強なのではという展開に変わってきていることがファンの間で気になることの上位に踊り出ていたというこれまでの流れです。
フリーレンとゼーリエの強さの比較も含め、改めてゼーリエについておさらいしておきましょう。
ゼーリエとは
ゼーリエは、架空の世界におけるエルフの大魔法使いで、魔法使いたちの頂点に立つ存在として描かれています。
彼は「大陸魔法協会」の創設者であり、その組織を通じて魔法使いたちを統率しています。
その絶大な力と影響力は、彼を作中で神話の時代から生き続ける魔法使いとして、ほぼ不死に近い存在へと押し上げています。
ゼーリエの年齢は1000歳を超えるフリーレンよりも遙かに上であり、伝説的な魔法使いフランメの師匠でもあります。
これにより、フリーレンは彼女の孫弟子にあたります。
ゼーリエは、その長い生涯を通じて数えきれないほどの出来事を経験し、多くの弟子を育て上げてきました。
その中には、ゲナウ、ゼンゼ、レルネン、ファルシュなど、現代でも彼の教えを受け継ぐ者たちがいます。
ゼーリエの価値観は独特で、「平和」を「停滞」と捉えており、このため魔王軍との戦いには直接介入せず、その成り行きを見守るという姿勢をとっています。
しかし、北部高原が黄金化される危機に際しては、部下を率いて積極的に介入し、その力を示しました。
彼女に対する敬称は、直接の弟子であるフランメからは「師匠」と呼ばれ、孫弟子のフリーレンからは単に「ゼーリエ」と呼ばれるなど、その呼び名は関係性によって異なりますが、多くの者からは尊敬を込めて「ゼーリエ様」と称されています。
ちなみに、ゼーリエの名前がどこからきているかというと、独語で「続いていく・連続する」という意味の「serie」をもとにしています。
ゼーリエの性格
ゼーリエは、伝統的なエルフのイメージとは一線を画す、好戦的で高慢な性質を持つ魔法使いです。
彼女は大陸魔法協会を強い手で指揮していますが、その統治スタイルは独断的でありながらも、意外にも下からの意見に耳を傾け、誤りを認めることができる公正さを備えています。
かつて魔法は選ばれし者のみが扱うべきという信念を持っていた彼女ですが、フランメの最後の願いにより、その考えを超えて大陸魔法協会の長として君臨しています。
彼女が率いる協会では、厳格な試練を経た者のみが一流の魔法使いとして認められます。
この選抜過程は、非常に厳しく、しばしば命を落とす者も出るほどですが、生き残った魔法使いは例外なく卓越した能力を持つと評されています。
ゼーリエは、一流の魔法使いに「特権」として与える、生涯をかけても習得困難な魔法を瞬時に身に付けることができる機会を通じて、魔法への深い探求を促しています。
エルフとして長い歳月を生きる彼女にとって、短い人生を生きる人間の魔法使いたちへの教育は、ある種の哀愁を帯びています。
ゼーリエの弟子たちは、彼女の指導のもとで魔法の技術だけでなく、魔法使いとしての心構えも学びます。
彼女は弟子の死に対して冷静であるように見えますが、実際には彼らに深い愛情を持っており、彼らのことを常に心に留めています。
彼女の言葉や行動は、弟子への深い思いやりを隠していることがしばしば示されています。
多くの弟子を育て上げたゼーリエですが、フランメだけが彼女のもとで学び、その名を歴史に刻むことができた唯一の人物です。
ゼーリエの下での厳しい訓練と教育は、単に技術を習得する以上のものであり、真に優れた魔法使いを育成するためのものであることを示しています。
彼女の指導法は、弟子たちが魔法の真髄を理解し、それを超える成長を遂げるためのものといえます。
フリーレンとゼーリエ、どちらの強さが上?
ゼーリエとその孫弟子フリーレンの関係は、一見して複雑かつ微妙なものです。
互いに対する尊敬はあるものの、その交流はしばしば冷ややかなものになっています。
ゼーリエはフリーレンの能力を評価しながらも、彼女の野心の欠如を理由に批判しており、「この子はダメだ」と結論付けました。
対照的に、フリーレンも自らがゼーリエが期待するような魔法使いに至っていないと自覚しています。
初めて会った時から、二人の間には緊張感がありました。
ゼーリエは、フリーレンを一級魔法使いの試験で失格とし、さらには彼女を大陸魔法協会から「千年間出禁」にするという厳しい措置を取りました。
これは、彼女がフリーレンに対して持つ厳しい評価の表れであり、フリーレンを試す彼女なりの方法だったのかもしれません。
フリーレンはこれを受けて落胆しつつも、ゼーリエを「子供みたい」と評し、彼女の行動を軽く受け流しています。
それでも、フリーレンはゼーリエの直感を信じており、彼女の決断や言葉には一定の敬意を払っています。
これは、二人の間にある種の信頼関係が存在することを示唆しています。
彼女たちの関係は、外見上は冷たく見えるかもしれませんが、深い相互理解に基づいているのです。
ゼーリエ自身は、その能力においては人類史上類を見ないほどの万能な魔法使いとされています。
ほぼ全ての魔法を網羅し、その魔力の量と制御技術はフリーレンを遥かに超えています。
彼女は神話の時代から生き続けるほどの長寿を誇り、その存在は「地上で最も全知全能に近い女神」とも評されるほどです。
しかしながら、彼女が一級魔法使いに授ける「特権」の影響で、特定の魔法を一時的に使えなくなるという弱点も抱えています。
これは彼女が自らの魔法を譲渡することで起こる現象であり、彼女の能力にも制限があることを示しています。
このゼーリエの弱点を考慮すると、もしフリーレンとゼーリエが戦った場合には、フリーレンにも付け入る隙があるといえます。
ゼーリエとフリーレンの強さについて、どちらが上ということは簡単に言えない含みを持たせているのは、作者の意図的なものではないでしょうか。
実力でいえば圧倒的にゼーリエが上かもしれませんが、何を基準にその強さを測るかによって答えは違ってくると思います。
はっきりと強さに白黒つけないところが、葬送のフリーレンの面白さではないでしょうか。
ゼーリエの強さを表す魔法の例
ゼーリエは、その魔法の能力において人類史上類い稀な存在です。
彼女が使いこなす二つの特筆すべき魔法は、その力と影響の範囲で特に際立っています。
まず、「呪い返しの魔法(ミスティルジーラ)」は、ゼーリエが自身を守るために用いる強力な防御魔法です。
この魔法は、攻撃者が放った呪いを自動的に元に返す能力を持ち、その効力は攻撃の強度に比例します。
この魔法により、彼女はかつて「万物を黄金に変える魔法」を使ったマハトの攻撃を跳ね返し、彼の手を黄金に変えることに成功しました。
ゼーリエはこの魔法を常時使用しており、そのための魔力消費は莫大ですが、彼女の魔力はこれを支えるに足るだけのものを有しています。
ゼーリエが扱うもう一つの注目すべき魔法は、「魔法を譲渡する魔法(フィーアヴェリア)」です。
これは、自身が習得した魔法を他者に譲渡することができる、極めて稀有な魔法です。
この魔法の使用により、ゼーリエは一級魔法使いに「特権」として自身の魔法を授けることができます。
譲渡の過程では、魔法を本に移し、その本を読むことで受け取り側は迅速に魔法を習得することができます。
ただし、このプロセスには大きな犠牲が伴います。ゼーリエは譲渡した魔法を自らは使用できなくなりますが、再びその魔法を習得することで能力を取り戻すことが可能です。
これらの魔法は、ゼーリエがただの魔法使いを超えた存在である強さを示しています。
彼女の魔法の使用法は、自身の保護と他者への知識の伝承の二面性を持ち合わせています。
ゼーリエの魔法は、彼女の戦術的な洞察と戦闘における独自のアプローチを反映しており、彼女の長い生涯と魔法に対する深い理解から生まれたものです。
これらの魔法により、ゼーリエは自身の影響力を拡大し、後世にその知識と力を残すことを可能にしています。
フリーレンとゼーリエの強さに関するまとめ
単に魔力や魔法の多さという点では、ゼーリエが強いと言えます。
ただゼーリエにも弱点があり、万一闘った場合にはフリーレンにも小さいながら可能性は残っているのではないでしょうか。
今後の話の展開で再びゼーリエが登場するのかは不明ですが、何か大きな闘いや変化(魔王復活など)次第ではフリーレンとゼーリエが共闘、もしくは対立など様々なパターンが考えられると思います。
ただ葬送のフリーレンというアニメが、誰が強いということはテーマではないと考えられるので、そこは大して重要なポイントではないのかもしれません。
いずれにせよ、現時点でフリーレンを超える存在はゼーリエのみなので、なにかしら絡んでくる存在であることは間違いないと思います。