今年30歳になったボクシング世界WBC・WBOスーパーバンタム級チャンピオン、井上尚弥が26日にWBA・IBFの同級王者、31歳のフィリピン出身マーロン・タパレスと戦いました。
4ラウンドでのボディへの連打の後、ラッシュアタックでダウンを取り、10ラウンドで右ストレートを相手のこめかみに打ち込んでKO勝ちを収めました。
これにより、2つの階級で4つの主要タイトルを獲得し、歴史に名を残す2人目のボクサーになりました。
階級をあげて、たった二戦で四団体統一をはたすという驚異的な記録です。
この記事では、井上尚弥チャンピオンのプロフィールに加え、海外での反応を中心にお伝えしていきます。
世界に羽ばたく井上尚弥、次はサウジアラビアか
今回のタパレス戦も試合前から世界の注目を集め、この結果も含め、海外でも大きな話題となっています。
井上尚弥選手は、国際的な舞台での存在感を増しています。
最近の動きを見ると、サウジアラビアからの注目が象徴的で、井上に対してサウジでの試合をオファーしているとも言われています。
サウジアラビアは、原油依存経済からの転換を目指し、スポーツ分野への投資を加速させており、ボクシングもその一環となります。
サウジアラビアのスポーツへの注力は目覚ましく、アジア冬季競技大会の開催やサッカーW杯の招致に加え、LIVゴルフやeスポーツの大会を支援するなど、多岐にわたります。
このような状況の中で、井上尚弥はサウジアラビアから高額なファイトマネーを提示される可能性が高く、彼のキャリアにとっても新たな機会をもたらすことになるでしょう。
これは、井上が国際舞台でどれほどの注目を集めているかを示すものであり、彼の技術、実績、そしてカリスマが世界中のプロモーターやファンから高く評価されていることを物語っています。
井上尚弥の試合に対する海外専門家の反応
では今回の試合に関して、海外の専門家はどういった反応を示しているでしょうか。
元WBO世界スーパーフェザー級王者ジャメル・ヘリングは、KOシーンについて、タパレスは守れると思っただろうけどガードの上からだろうと、あれだけ強く打てばガードを崩せると分かっていたと井上のパワーを絶賛。
ESPNで実況をしていたカラン・バティアも、井上のパンチがガードされていたにもかかわらずKOしてしまったことは、彼のパワーの証明でしょうと驚きを隠せない様子でした。
ただ試合展開の中でアジャストしてきたタパレスにも称賛を送り、逃げずに向き合って戦ったこと、10ラウンドまで粘ったことには敬意を表していました。
ジャーナリストのマイク・コッピンガーは、7月のスティーブン・フルトンよりははるかに頑張ったが、結果が全てとモンスター井上を絶賛。
自身のXで、今年のベストファイターは誰かというアンケートを実施。
デヴィン・ヘイニー、テレンス・クロフォード、デビッド・ベナビデスを抑え、圧倒的1位が井上尚弥になっています。
これでまたPFPの1位に井上をという声が盛り上がるかもしれませんね。
井上の強さには、相手のタパレスも脱帽、「スピードについていけなかった」としっかり負けを認めるところが好感が持てます。
同じフィリピンのレジェンド、マニー・パッキャオもフィリピンのプライドを見せてくれたと彼に賛辞を送っています。
井上は世界中のチャンピオンも注目する存在、試合前からジャーボンテイ・デービスなどは再三井上を絶賛するコメントを各所でしています。
シャクール・スティーブンソンも井上の試合は何時からなんだとXに投稿。
ただアメリカでは時差の関係で、実際まだ試合を観ていない人がほとんどかと思います。
マニアが日本時間に合わせて観ているだけで、これから大物たちのコメントが続々出てくるものと思われます。
海外ファンの井上尚弥に対する反応
日本時間での試合でもすでに海外の反応はいくつも出ているのでここで紹介していきたいと思います。
「もう次の井上の試合が気になって仕方ない。階級を上げるのか、少し時間を空けたいと言っていたような気もするがどうなるのだろう」
「そろそろ負けるの期待しているアンチも多いと思うけど、井上は勝ってしまうんだよね」
「アニメの主人公みたいにハンサムだね」
「強いのはわかるけど、この軽量クラスのボクシングはどうしてもピンとこない」
「それでもPFPはテレンス・クロフォード」
「KOのシーンはなんであれで倒れるのかわからなかったけど、写真で捉えた瞬間をみたら納得した」
「試合後の二人の顔のダメージの差が象徴的だったね。モンスター相手によくタパレスも10ラウンドまで立っていた」
「モンスターにタンクデービスを倒してほしい」
いかがでしょう。
モンスターという称号が、海外でも完全に浸透していることがわかります。
ただどうしても体格の大きいファイターをすごいとみる傾向が海外にはあるので、軽量の部類に属す
る井上選手には一定数のアンチがわいてきます。
そして井上選手に近いクラスで、ワールドクラスの名前の知れた選手がほとんどいないので、タンクデービスことジャーボンテイ・デービスと戦ってほしいという声が圧倒的に多い気がします。
ですが、彼はライト級なので対戦は現実的ではないでしょう。
井上尚弥選手が今後階級をどうするのかも、今後の注目ポイントです。
たった2戦でスーパーバンタムを統一してしまったので、モチベーションをどう持っていくのかが気になりますね。
井上尚弥のプロフィールをおさらい
井上尚弥選手は、神奈川県座間市出身のプロボクサー、1993年4月10日生まれの彼は現代ボクシング界の輝かしい星、日本の宝と言われる存在です。
彼は大橋ボクシングジムに属し、その驚異的な才能と技術でボクシング界に新たな歴史を刻んでいます。
キャリアは多くのタイトルと記録で飾られ、特にWBAスーパー、WBC、IBF、WBOの各タイトルを獲得し、世界スーパーバンタム級の統一王者となったことは特筆に値します。
これに加え、彼はWBC世界ライトフライ級、WBO世界スーパーフライ級、そしてバンタム級の各王座も獲得しており、4階級制覇の栄誉を手に入れました。
井上尚弥の実績は、国内外で高く評価されています。特に「ザ・リング」誌によるパウンド・フォー・パウンドランキングで日本人初の1位に輝いたことは、彼の技術と影響力の大きさを示しています。
彼のアマチュア時代も輝かしく、高校時代には既に複数のタイトルを獲得していたほどです。
プロに転じてからは、短期間での階級制覇や世界王座戦での連勝記録、速いKO勝利などで注目を集めました。
個人的な面では、井上尚弥選手は血液型A型で、家庭生活でも充実しています。
彼は結婚しており、三人の子供の父。
ボクシングは家族にも深く根ざしており、彼の弟である井上拓真もWBC世界バンタム級暫定王者とWBA世界バンタム級王者の称号を持っています。
さらに、井上家はボクシング一家であり、父親の井上真吾はかつてのアマチュアボクサーで現在はトレーナーとして息子たちを支えています。
レジェンドたちの井上尚弥に対する反応
海外のレジェンドボクサーたちも、井上尚弥の実力には舌を巻いています。
素人にはわからない、ボクサー目線でみた井上尚弥の凄さが、彼らの声を聞いていると理解できます。
マイク・タイソン
マイク・タイソン氏が、井上尚弥に対して賞賛の言葉を述べたことは有名です。
彼の発言は、米ネバダ州ラスベガスでのテレンス・クロフォードとエロール・スペンスJr.の間で行われる注目のウェルター級4団体統一戦に先立って行われました。
タイソン氏は、メディアの前で井上の試合について語り、彼の実力を高く評価しています。
彼は「ファイトハブTV」の公式YouTubeチャンネルでのインタビューで、井上尚弥が世界最高のボクサーであるとの見解を示しました。
これは、井上がパウンド・フォー・パウンド(PFP)のトップにふさわしいかという質問に対する回答でした。
タイソン氏は自身を「何者でもない」と謙遜しつつも、個人的な意見として井上を世界最高のボクサーと位置づけています。
井上は、当時新階級初戦でスーパーバンタム級2団体統一王者に輝き、WBAとIBFのベルトを持つマーロン・タパレスとの統一戦を約束していた状態。
タイソン氏は、井上がスーパーフェザー級でガーボンタ・デービスと対戦するという案についても言及し、井上が現在122ポンドのスーパーバンタム級であることを考慮して、132ポンドのキャッチウェイトでの対戦を提案しています。
このように、タイソン氏の発言は、井上尚弥の才能と可能性を称賛するものであり、ボクシング界での彼の地位と将来性をさらに強固なものとしています。
ティモシー・ブラッドリー
元二階級世界王者であり、ボクシング解説者としても知られるティモシー・ブラッドリー氏も、井上尚弥に関して重要な評価を述べています。
彼の発言は、トップランク社の公式インスタグラムとESPNでの彼の解説中に公開されたものです。
ブラッドリー氏は当初、井上の実力について完全には確信していなかったと明かしますが、その後のコメントで彼の意見が一変したと正直な気持ちを吐露しています。
「彼は特別だ」と力強く断言し、井上のスキルと実績を称賛しました。
特に、井上のスピード、精度、カウンターパンチの才能は他の選手とは一線を画すものであると強調し、彼のボクシング技術の優れた点を挙げています。
ブラッドリー氏自身は、スーパーライト級とウェルター級の世界王座を獲得した経験を持ち、特にマニー・パッキャオとの対戦で知られています。
彼の経歴からくる洞察力あるコメントは、井上尚弥の実力を本物と認めざるを得ない海外レジェンドの意見のいい例かもしれません。
マニー・パッキャオ
ボクシング界の伝説的な人物であり、6階級制覇の偉業を成し遂げたマニー・パッキャオ氏も、日本のボクシングスター井上尚弥に対して高い評価を示しています。
井上のスーパーバンタム級での初戦、フルトン戦が大きな注目を集めた中、パッキャオはその試合の印象深い瞬間についてツイッター上で言及しました。
パッキャオは、井上のパンチの速さと強さについて特に称賛の言葉を述べています。
「イノウエのパンチには素晴らしいスピードと多くのパワーがある」と評しており、これは井上が相手のフルトンに見せた圧倒的なパフォーマンスに対するものです。
試合の決着が8回につけられた直後も、パッキャオは「彼は特別なボクサーだ!」とツイートし、井上の圧倒的な勝利を讃えました。
タパレス戦も同じフィリピン出身のボクサーということで、負けはしましたがタパレスに対しプライドをみせたと労い、相手が井上であれば仕方がないと暗に言っているようで、彼の井上を認める姿勢が垣間見えるコメントかと思います。
井上尚弥の海外の評価
井上尚弥選手のパフォーマンスが認められているのは、パウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングにおける彼の位置付けです。
このランキングは、ボクサーの階級間の実力差を横断的に評価し、最強と見なされる選手を決定します。
この分野で最も権威あるのは「ザ・リング」誌のランキングで、トップ10に選ばれること自体が大きな名誉とされています。
最新の動向として、World Boxing News(WBN)は井上をその独自のPFPランキングで1位に挙げました。
これは彼がマーロン・タパレスを圧倒し、テレンス・クロフォードを凌いでランキングの首位を獲得したということです。
井上は7月にスティーブン・フルトンを8回TKOで打ち負かし、スーパーバンタム級のタイトルを獲得するという快挙を成し遂げました。
その後、クロフォードがエロール・スペンスJr.を破ったにもかかわらず、井上はWBNのランキングで首位を保持し続けています。
彼はバンタム級での4団体統一に成功し、その約1年後にスーパーバンタム級でも同様の成果を達成しました。
これらの成就は、特に2階級での速い時間内での統一が特筆され、彼のランキング首位の理由となっています。
井上尚弥のパウンド・フォー・パウンドランキングでの評価は、彼がボクシング界でどれほど優れた存在であるかを物語っています。
そしてリング誌でのPFPランキングがどう動くかにも注目です。
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