みなさんは「なんJ」、「なんJ民」という言葉を最近ネットで目にすることはないでしょうか。
この言葉単体でみることもあれば、何かを検索しようとした時に、サジェストキーワードとしてついてくることで気になっている人は多いと思います。
この記事では、「なんJ」とはなんなのか、「なんJ民」も含めてその意味をわかりやすく解説していきます。
なんJとは
なんJは、2ちゃんねるや5ちゃんねるに存在する掲示板の一つで、「なんでも実況J(ジュピター)」の略称です。
この掲示板は2004年に設立され、特有の文化を持つことで知られています。
なんJの文化は他の板とは一線を画し、そのユニークな雰囲気は多くのユーザーを魅了してきました。
また、「なんU(なんでも実況ウラヌス)」という姉妹板も存在します。
なんJの名称は、「なんでも」と「J」を組み合わせたもので、掲示板の住民は「なんJ民」と呼ばれ、親しみを込めてナンジェイとも称されます。
さらに、おーぷん2ちゃんねるにも「おんJ」と呼ばれる類似の場所があります。
おんJはもともとなんJの住民が避難所として使用していた背景があり、似た文化を持ちつつも、システムや流行の違いから独自の特色を持っています。
なんJ民の主な年齢層は「なんJ世代」と称され、1992年生まれ前後の人々がコアユーザーとされています。これはVIP世代よりも約5歳若いことを意味します。
歴史の中で、2022年3月21日になんJはサーバーダウンを経験し、多くのユーザーが姉妹板のなんGへと移住しました。
しかし、翌年の2023年3月13日になんGがサーバー障害を起こしたことで、多くのユーザーが一時的になんJへ戻り、その後もなんJに留まるユーザーが見られるようになりました。
なんJ民とは
なんJ民とは、単純にこのなんJという掲示板を利用している人のことを指します。
後述するように、各掲示板には独自のルールのようなものが自然と形成されていくので、なんJ民になれば、それなりに他の人の書き込みを参考に合わせていく必要があります。
そこで全く違う文化のルールを持ち込むと、一斉に叩かれるという結果に陥ることもあるので注意が必要かと思います。
下手に書き込むとボロカス言われてショックを受けることもあるので気をつけましょう。
やきうのお兄ちゃんとは
「やきうのお兄ちゃん」とは、「なんJ」を一時的に占拠し、そこに根を下ろした熱心な野球ファンの集団を指します。
彼らは、自らを「なんJの原住民」と名乗るユーザーからの訴えを、ほぼ無視する形で活動を続けています。
このやり取りは、さまざまなネット上の対話や冗談交じりのやりとりで表され、「やきうのお兄ちゃんたちは誠実さを知らない」という自嘲的なユーモアも交えながら展開されています。
「やきうのお兄ちゃん」は、野球に対する熱い情熱を共有するコミュニティの一員として、その活動を広げています。
特に、彼らのアイデンティティーは、黄色い肌と不自然に後ろに飛び出た髪、尖った口など、「野蛮」を象徴するような外見で表現されることがあります。
これは、広島東洋カープのマスコットキャラクター「スラィリー」をモチーフにしたものとされています。
コミュニケーションにおいては、「彡(゚)(゚)」という1行のアスキーアート(AA)を用いて自己表現することが一般的であり、このシンボルは「やきうのお兄ちゃん」たちのトレードマークとなっています。
彼らは、なんJをはじめとするインターネットの空間で、野球を中心とした様々なトピックについて情熱的に議論を交わしています。
「やきうのお兄ちゃん」たちの活動は、特定のインターネットコミュニティにおける文化やサブカルチャーを象徴するものであり、彼らの存在は、ネット上での野球愛を象徴する独自の文化として認知されています。
彼らの交流や表現方法は、特有のユーモアとカルチャーを持ち、多くの人々に影響を与えています。
なんJの歴史、経緯を詳しくおさらい
ネット掲示板の中でも特に知名度が高いとされるなんJについて、その勃興や2022年に起こった騒動を中心に歴史を解説します。
2004年、番組やスポーツに縛られない実況を目的に「何でも実況ジュピター」が2チャンネル上に設立されました。
しかし、カテゴリごとに掲示板が分けられている2チャンネルの中で、わざわざなんJを利用しようとするユーザーは多くありませんでした。
それは、プロ野球なら野球ch、テレビ番組なら番組chと、各専門板で実況するのが一般的だったからです。
その結果、なんJは他の板が使えない場合の避難所としてよく利用され、2ch全体で見るとマイナーな掲示板でした。
この時代の極少数の住民は原住民と呼ばれ、(´・ω・`)の顔文字でよく表されました。
また、名前欄を空白にするとその板独自の名無し名が付けられる2chのシステムの中で、デフォルトの名無し名を変更するために原住民たちによる話し合いが行われ、「風吹けば名無し」が考案されます。
時が経ち、2009年には2チャンネル有数の人気板である野球chで、不謹慎なネタスレや野球実況に関係ないアニメスレが運営に規制されたことを受け、一部の住民が「実況していない他のスレも規制すべきだ」と運営に抗議。
しかし、これが運営の怒りを買い、野球ch全体に大幅な規制がかかり、実況ができない状態になります。
これを受けて、野球ch民は新天地を求め、目をつけられたのがなんJでした。
何でも実況できるネーミングや人口が少ないことから、大量の野球ch民が避難するにはうってつけでした。
2009年5月13日、平穏だったなんJに突如、野球ch民が押し寄せ、掲示板は荒れる結果に。
ここで原住民が建てていたスレが発見され、ネタにされることも。
「ボヘミア~ンの9時半」「ア〇ル伯爵~レジェンド~」などの意味不明なスレが笑いものにされました。
このような状況で、プロ野球のシーズン終了までという約束で、なんJは野球ch民に一時的に占拠されました。
2009年5月12日のなんJの書き込み総数が113件だったのに対し、この日は6万7247件もの書き込みが記録されました。
その後野球chの規制は緩和されず、その結果、野球民はなんJに居座り続け、規制緩和後も多くがなんJに残りました。
この時代になんJに住み着いた人々は「やきう民」と呼ばれ、彡(゚)(゚)の顔文字でよく表されました。
彼らは関西弁っぽい話し方や「〇〇ニキーww」などの定型文を多用する文化を持ち込みました。
この騒動でなんJの人口は大幅に増えましたが、それでも2ch全体ではVIPがダントツに多く、人気ナンバーワンとは言えませんでした。
しかし、Twitterやニコニコ動画の台頭により、2chの人口が減少する中、淫夢ネタやなんJ発祥のネットスラングがあちこちで使われるようになりました。
これを気に入った人々が根源であるなんJに次々と流入しました。
「ワイ、~」「イッヌ」「〇〇ンゴ」「〇〇定期」などがそのネットスラングとして挙げられます。
ネット掲示板に馴染みのなかった若い世代を中心に、なんJは急成長を遂げました。
野球以外にアニメやバラエティの実況も増え、その名の通り何でも実況する場所となりました。
2014年頃には書き込み数でVIPと1位を争うようになり、2015年以降は圧倒的な差をつけてトップに君臨。
2chのみならず、日本最大級のネットコミュニティとなりましたが、2022年には状況が急変。
2021年に入って、自動で悪質な書き込みを行う「スクリプト荒し」が活発化したことが原因ですが、実況スレやなどに突然やってきては、意味不明な文章などを大量に貼り付け、スレを機能できなくさせる行為がそれです。
とくに運営側による対策は行われず、なんJ民が不満を募らせる中、2023年3月にスクリプトの負荷に耐えられずハードウェア障害が発生し、一時的になんJが消滅してしまいました。
居場所を失ったなんJ民が各地へ分散する一方で、運営の誘導によって避難所として挙げられたのが何でも実況G(ガリレオ)通称なんGでした。
名前の通りなんJと環境が似ていることもあり、避難民の多くはなんGでやり過ごすこととなりました。
そして2日後にはなんJのサーバーが復旧し、住民の多くはなんJに帰還すると思われていましたが、意外な結果に。
なんGには1時間ルールが存在せず、実況がしやすいことに加え、近年の対立煽りやVtuberスレの増加に実況勢の不満があったことで、ヤキウ民を始めとした実況勢はそのままなんGに定住することになりました。
実況や野球関連はなんG、雑談や一部のVtuberスレはなんJという形で、なんJ民は2つに分断されることに。
これ以降、なんG民となんJ民は対立するようになりました。
現在のなんJで野球の話をするのはタブーという風潮がありますので、注意が必要です。
書き込み数はなんGの方が圧倒的に多く、なんJはVIPと並ぶまでに衰退。
長きにわたって日本のネットの覇権を握っていたなんJは、その勢いを失ってしまいました。
そして現在もなんJの人口は戻らず、以前のような活気は見る影もない状態です。
これがここまでのなんJの歴史です。
有名人+なんJの意味
有名人を検索していて、サジェストキーワードに「なんJ」と出てくるのは、その人の話題がなんJでスレとして立っていないかを探る人がいるからということになります。
得に、野球選手、アニメやVtuber関連で検索している人が多い傾向があるようです。
なんJ民の増加期について
2010年代初期、VIPPERの影響力が低下し、2ch全体のユーザー数が減少し、治安が悪化する中で、なんJはその独特の文化により、独自の進化を遂げていきました。
この時期、なんJはまさに台風の目となり、その成長を続けていきました。
2012年頃には、なんJのスレッドを転載するまとめブログが増え始め、その結果、良くも悪くもユーザー数が増加しました。
ニコニコ動画やTwitterなどの外部サービスから、比較的若く、掲示板文化に馴染みが薄いネットユーザーが流入し、それまでなんJであまり重視されていなかったアニメやゲームなどの話題も取り入れられるようになりました。
しかし、なんJのコミュニティとしては、これらの新しいトピックに対して受け入れがたい部分もあったようで、その後はオタク文化に対するカウンターの立場を取るようになりました。
さらに、ある野球選手のスキャンダルをきっかけに、「真夏の夜の淫夢」というネタがなんJ内で準公用語のように扱われるようになり、このネタがインターネット全体でブームとなりました。
淫夢ネタを通じてなんJに流入した層も増え、なんJでの炎上騒動をきっかけに生まれた恒心教が勢力を伸ばしました。
このように外部からの流入と同時に、2chの外にもなんJ語が広がり、語録を織り交ぜたエセ関西弁が、なんJ民だけでなく、淫夢厨や恒心教徒といった特定のコンテンツをネタにする層を象徴する言葉としてもある程度認知されるようになりました。
このようにして、なんJはそのユニークな文化と共に、多くの変遷を経てきました。
外部からの新しい流入によって文化が多様化し、同時に独自のアイデンティティを強化していることが見て取れます。
pixivにおけるなんJ
pixivでは、なんJに関連するネタを題材にした作品が多数投稿されています。
特に、野球関連のネタ絵にはなんJの影響が色濃く反映されていることが見受けられます。
なんJ民を象徴するキャラクター、「彡(゚)(゚)」を描いた作品も豊富にあります。
このような背景から、野球やなんJとは直接関係のないイラストにも、突然なんJのネタが挿入されることが少なくありません。
その際、大抵の場合タグ付けはされていないことが多いです。
pixivに限らず、作者が自らをなんJ民と意識しているかどうかは不明瞭な場合があります。
そのため、「仲間」と思ってネタを振っても、その後のやり取りが続かない可能性があります。
これは、作者がなんJを知らずにネタを使用しているため、とぼけているわけではないということです。
一般的にはマイノリティとされる萌えオタクですが、ネット上ではマジョリティを占めています。
これに対して、長らくネット上ではマイノリティであった野球民は、萌えオタクに対して強い敵対意識を持っています。
さらに、まとめブログの住民の中には萌えネタを好む人が多いため、pixivのような萌え文化に拒絶反応を示す層も一定数存在します。
まとめ
2023年には、以前から存在していたスクリプトによる荒らし行為に加えて、5chがDDoS攻撃を度々受ける事態となり、サイト全体が極めて不安定な状態に陥りました。
2024年の現状としては、なんGがスクリプト攻撃の対象となり、かつてのなんJ民が外部のサイト「エッヂ」へと遷移しています。
その結果、現在ではなんJもなんGも人が減少し、過疎化が進んでいるというのが現状です。
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