土曜日、ペンシルベニア州バトラーで開催された集会中に、ドナルド・トランプ前大統領が大きな音とともにシークレットサービスによってステージから降りるという一幕がありました。
ドナルド・トランプの暗殺未遂というとんでもない事件が発生しました。
支持者に無事を示すために拳を上げたトランプ氏は、会場を離れる際、血を流しているように見えましたが、その後、「大丈夫だ」と声明を発表しています。
土曜日の夕方、トランプ氏がペンシルベニア州バトラーで演説している最中、群衆から破裂音が聞こえました。
トランプ氏は何かに殴られたか、かすったように見え、手を耳に当てた後、演壇の下に下がりました。
群衆から悲鳴が上がる中、シークレットサービスのエージェントがステージに駆け寄りました。
ワシントン・ポスト紙によると、トランプ氏は耳を撃たれ、犯人と見られる人物はその場で死亡したとのこと。
バトラー郡のリチャード・ゴールディンガー地方検事によれば、集会参加者の一人が死亡し、もう一人が重体であるという情報も入っています。
ドナルド・トランプ暗殺の犯人は誰？
犯人と見られる人物やその動機について、詳細な情報はまだ発表されていません。
ABCニュースやプール報道によると、バイデン大統領はトランプ氏の集会について説明を受けています。
トランプ前大統領がペンシルベニア州のイベントで演説中に襲われたとき、大統領はデラウェア州で教会に出席していました。
バイデン大統領はシークレットサービスのキンバリー・チートル長官、国土安全保障省のアレハンドロ・マヨルカス長官、国土安全保障省のリズ・シャーウッド＝ランドール顧問から最新情報を受け取っています。
犯人の名前や顔画像なども現在のところ公表されていません。
ドナルド・トランプ前大統領が撃たれた時、現地の法執行機関によって3人の関係者が外部に不審な人物がいることを確認したとなっています。
特に、2つの情報筋によると、その人物は会場の外の建物の屋根にいたとされています。
バトラー郡のリチャード・ゴールディンガー地方検事は、主任刑事から得た情報として、狙撃犯は会場に隣接する建物に位置していたと述べました。
ただし、その人物に関する詳細な情報は明らかにされていません。
狙撃を実行するためにはライフル銃が必要であり、その距離は数百ヤードに及ぶものであったとのコメントもあります。
当局は、迅速な対応と徹底した捜査を続けている状況です。
Shooting just happened at The Trump rally pic.twitter.com/Xs1dVL1H3T
— Acyn (@Acyn) July 13, 2024
Xでは事件発生の瞬間の映像が拡散しています。
追記：犯人はトーマス・マシュー・クルークスで特定か
この事件に関与した人物として、FBIはペンシルベニア州ベテルパーク在住のトーマス・マシュー・クルークス（20歳）を特定しました。
ペンシルベニア州警察のジョージ・ビベンス中佐は、事件が発生した土曜日の真夜中近くに記者会見を行いました。
ビベンス中佐は、「法執行機関は迅速に対応し、脅威を特定し無力化することで、多くの人々を救助しました」と述べました。
FBIのケビン・ロジェック特別捜査官も、バトラーでの深夜の記者会見で、「現在、彼の写真を確認し、DNA検査や生体認証を行っています」と発言。
日曜日の午前1時30分ごろ、クルークスの家の前には数十台の警察車両が配備されました。
その家は、バトラーから南へ42マイルほど離れたベテルパークの郊外にあります。
アルコール・タバコ・銃器・爆発物取締局の捜査官も現場に到着し、爆弾処理班が家に入りました。
近隣住民たちは驚きを隠せず、外に集まっていました。
近所に住むダン・マロニーさん（30歳）は、ソーシャルメディアで犯人の名前を確認し、彼が近くに住んでいることを知りました。
「こんなことをするなんて信じられない」とマロニーさんは述べ、集会に参加する予定だったとも付け加えました。
クルークスの近くに住むジョン・ウルフさんも心配していると話しました。
ウルフさんは地元の建設管理者で、「みんなが恐怖を感じている」と語りました。
ウルフさん（50歳）は、妹から犯人が近所に住んでいると聞いたときの衝撃を語っています。
USAトゥデイはクルークスの家族にコメントを求めましたが、今のところ返答はないとのこと。
データベース・サービスのレクシスネクシスによれば、クルークスは共和党員として登録されており、現役の有権者でした。
彼はベテルパーク高校に通い、2022年に卒業したようです。
Thomas Matthew Crooks
"I hate trump. I hate republicans." pic.twitter.com/dEwWOqdPyq
— The Patriot Oasis™ (@ThePatriotOasis) July 14, 2024
ドナルド・トランプの経歴をおさらい
生い立ちと家族背景
ドナルド・ジョン・トランプ氏は1946年6月14日にニューヨーク市クイーンズ区で生まれました。
父親のフレッド・トランプ氏はドイツ系移民で、ニューヨーク市で成功した不動産開発業者でした。
母親のメアリー・アン・マクラウド氏はスコットランド出身で、家族には4人の兄弟がいます。
教育と初期のキャリア
トランプ氏はニューヨーク軍事アカデミーで高校教育を受け、その後、フォーダム大学に入学しました。
2年間在学後、ペンシルベニア大学のウォートン・スクールに転校し、経済学の学位を取得しました。
卒業後、父親の会社であるエリザベス・トランプ＆サンで働き始め、1971年には社長に就任し、会社名をトランプ・オーガニゼーションに変更しました。
不動産事業
トランプ氏はニューヨーク市マンハッタンでの高層ビルの開発に力を入れ、トランプ・タワー（1983年完成）を含む数々の有名プロジェクトを手がけました。
彼の開発した建物には、トランプ・プラザ、トランプ・ワールド・タワー、トランプ・インターナショナル・ホテル&タワーなどがあります。
また、アトランティックシティでカジノビジネスにも進出し、トランプ・プラザ・ホテル・アンド・カジノ、トランプ・タージ・マハルなどを開業しました。
エンターテインメント業界
2004年、NBCのリアリティ番組『アプレンティス』のホストを務め、幅広い人気を獲得しました。
番組では、ビジネスのタスクを通じて参加者が競い合い、最後にはトランプ氏が「You're fired!」のフレーズで脱落者を決める形式でした。
この番組は多くのシーズンを重ね、大成功を収めました。
政治活動
トランプ氏は長年にわたり政治的な発言や活動を行っていましたが、2015年6月16日に正式に2016年の米大統領選挙に出馬することを表明しました。
彼のキャンペーンは「アメリカを再び偉大にする（Make America Great Again）」というスローガンの下、多くの支持者を集めました。
2016年11月8日の大統領選挙では、民主党候補のヒラリー・クリントン氏を破り、第45代アメリカ合衆国大統領に選出されました。
大統領在任中（2017-2021）
トランプ氏の大統領在任中には、数々の政策と改革が実施されました。
- 経済政策: 2017年の税制改革法（通称「トランプ税制改革」）を成立させ、法人税の大幅な減税を実現しました。
- 移民政策: 米国・メキシコ間の壁建設を推進し、移民の流入を抑制する政策を打ち出しました。
- 国際貿易: 中国との貿易戦争を含む厳しい対中政策を展開し、アメリカの貿易赤字を減らすことを目指しました。
- 司法の人事: 保守派の連邦判事を多数任命し、連邦最高裁判所にも3人の判事を任命しました（ニール・ゴーサッチ氏、ブレット・カバノー氏、エイミー・コニー・バレット氏）。
2020年大統領選挙とその後
2020年の大統領選挙では、民主党候補のジョー・バイデン氏に敗北しました。
トランプ氏は選挙結果に異議を唱えましたが、2021年1月20日に正式に大統領職を退任しました。
退任後も、トランプ氏は共和党内で強い影響力を持ち続け、政治活動を継続しています。
2024年の大統領選挙に向けての立候補も示唆しており、今後の動向が注目されています。
ドナルド・トランプ氏は、その独特なスタイルと強い発言力で、アメリカの政治、経済、メディアに多大な影響を与え続けています。
イメージ
過去のアメリカ大統領の暗殺事件
1. エイブラハム・リンカーン (1865年)
暗殺日: 1865年4月14日
場所: ワシントンD.C.のフォード劇場
暗殺者: ジョン・ウィルクス・ブース
詳細: リンカーン大統領は南北戦争の終結後に劇場で『わが友トム』を観劇中に、南部同情者である俳優ジョン・ウィルクス・ブースによって銃撃されました。リンカーン大統領は翌日、1865年4月15日に亡くなりました。ブースは事件後に逃亡し、12日後に逮捕され射殺されました。
2. ジェームズ・ガーフィールド (1881年)
暗殺日: 1881年7月2日
場所: ワシントンD.C.のボルチモア・アンド・ポトマック駅
暗殺者: チャールズ・J・ギトー
詳細: ガーフィールド大統領は、精神的に不安定な弁護士チャールズ・ギトーによって背中を撃たれました。ギトーは、ガーフィールドが大統領に任命しなかったことに腹を立てていました。ガーフィールドは数ヶ月にわたる治療の末、1881年9月19日に亡くなりました。ギトーは裁判で有罪となり、1882年に処刑されました。
3. ウィリアム・マッキンリー (1901年)
暗殺日: 1901年9月6日
場所: ニューヨーク州バッファローのパンアメリカン博覧会
暗殺者: レオン・チョルゴッシュ
詳細: マッキンリー大統領は、無政府主義者のレオン・チョルゴッシュによって握手会で銃撃されました。チョルゴッシュは無政府主義者の影響を受けており、大統領を暗殺することで社会の変革を図ろうとしました。マッキンリーは銃撃後、8日間生き続けましたが、傷が原因で1901年9月14日に亡くなりました。チョルゴッシュは速やかに逮捕され、電気椅子で処刑されました。
4. ジョン・F・ケネディ (1963年)
暗殺日: 1963年11月22日
場所: テキサス州ダラスのデイリー・プラザ
暗殺者: リー・ハーヴェイ・オズワルド（とされる）
詳細: ケネディ大統領は、オープンカーでパレード中に狙撃されました。オズワルドがテキサス教科書倉庫から銃撃したとされており、ケネディはその場で重傷を負い、病院に運ばれましたが即死と判断されました。オズワルドは逮捕されたものの、裁判を待たずにジャック・ルビーによって殺害されました。ケネディの暗殺は、今でも多くの陰謀論を生み出しており、公式の結論にも異論が存在します。
これらの暗殺事件は、アメリカの政治史に深い影響を与え、それぞれの時代において大きな波紋を呼びました。
暗殺未遂事件
- アンドリュー・ジャクソン (1835年) 暗殺未遂日: 1835年1月30日場所: ワシントンD.C.のキャピトル
暗殺未遂者: リチャード・ローレンス
詳細: アンドリュー・ジャクソン大統領はキャピトルの外でリチャード・ローレンスに2回発砲されましたが、銃は両方とも不発でした。ローレンスはその場で取り押さえられ、精神病と診断されました。 - セオドア・ルーズベルト (1912年) 暗殺未遂日: 1912年10月14日場所: ウィスコンシン州ミルウォーキー
暗殺未遂者: ジョン・シュランク
詳細: セオドア・ルーズベルトは1912年の大統領選挙運動中にジョン・シュランクによって銃撃されました。ルーズベルトは胸に銃弾を受けましたが、持っていた眼鏡ケースと50ページの原稿が弾道を逸らしました。彼は傷を負いながらもその後の演説を続けました。 - フランクリン・D・ルーズベルト (1933年) 暗殺未遂日: 1933年2月15日場所: フロリダ州マイアミ
暗殺未遂者: ジュゼッペ・ザンガラ
詳細: フランクリン・D・ルーズベルトは大統領就任直前にジュゼッペ・ザンガラによって狙撃されましたが、銃弾はルーズベルトには当たらず、シカゴ市長のアントン・サーマックを含む数人が負傷しました。ザンガラはサーマックの死後、死刑となりました。 - ハリー・S・トルーマン (1950年) 暗殺未遂日: 1950年11月1日場所: ワシントンD.C.のブレアハウス
暗殺未遂者: オスカー・コリソンとグリセリオ・トレス・ソラ
詳細: トルーマン大統領はホワイトハウスの改修中にブレアハウスに滞在していました。この時、プエルトリコ独立運動家のオスカー・コリソンとグリセリオ・トレス・ソラが襲撃を試みました。シークレットサービスの警護により、トルーマンは無事でしたが、警護官と襲撃者の一人が死亡しました。 - リチャード・ニクソン (1974年) 暗殺未遂日: 1974年2月22日場所: ワシントンD.C.のホワイトハウス
暗殺未遂者: サミュエル・ビック
詳細: サミュエル・ビックはハイジャックした航空機をホワイトハウスに突入させる計画を立てましたが、機内で撃たれ自殺しました。 - ジェラルド・フォード (1975年) 暗殺未遂日: 1975年9月5日、1975年9月22日場所: カリフォルニア州サクラメントおよびサンフランシスコ
暗殺未遂者: リネット・フロムおよびサラ・ジェーン・ムーア
詳細: ジェラルド・フォード大統領は、リネット・フロムにより銃撃未遂に遭いました。彼女の銃は不発でした。続いて、サラ・ジェーン・ムーアがフォードに向けて発砲しましたが、近くの市民によって撃たれる前に銃が逸れました。 - ロナルド・レーガン (1981年) 暗殺未遂日: 1981年3月30日場所: ワシントンD.C.のヒルトンホテル
暗殺未遂者: ジョン・ヒンクリー・ジュニア
詳細: ロナルド・レーガン大統領はジョン・ヒンクリー・ジュニアにより銃撃されました。レーガンは重傷を負いましたが、回復しました。この事件で報道官のジェームズ・ブレイディを含む他の3人も負傷しました。
これらの事件は、大統領の警護体制を強化し、警備の重要性を再認識させることになりました。